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猥雑さへの愛

すべての女は美しい荒木 経惟 / 大和書房ISBN : 4479300473
昨日、仕事の合間にこれを読む。
オビには「美人」は美しくない。 「普通の女」にこそ「いい女」がいる!!
。。。日頃、「普通の男」からそういった説を聞かされるたびに、、、なにか、嫌味をいわれているかのような?ゲンナリする気分を覚えることが多かったわたしは、正直‥かなり、斜に構えて読みはじめた。





。。。もとより、"天才アラーキー"氏の写真や言動については、イヤでも触れる機会はあったものの、その人となりや嗜好?に関しては、なんだかよくわからない部分が多かったのだ。
なので本書も最初は、「女は隠微でねばならない」みたいな、杓子定規のようなお説教でもタレているのであれば、即刻ゴミ箱にブチ込むところであったのだが。。。*ーー)o・・・数分後には、心の中で(うん、うん、)と、肯きながら読んでいるわたしがいた。
そして、読み進めるにつれてアラーキー氏の≪天才≫たる所以が、解るような気がしてきた+。゜
・・・・・その肝は、「愛」だ。

[引用]‥究極のヌードはその人の顔‥
(前略)裸体のいちばんの恥部であって、いちばん魅力的なところが顔なんだな。
顔がない裸は物体になってしまう。石膏とか、シリコンで作った造り物の肉体になっちゃうね。
(略)
今の都会の若い連中は、パッパラパーとして一見明るいようだけど、気分のほうには陰影があるみたいだな。やっぱり文化の深いところで、日本人には、どこか暗さがないとダメなんだ。

明るくなって、「性」へのリッシンベンがなくなって、ただの「生」になってしまったら、単純に生きるってことだけになっちゃうでしょ。
後ろめたさとか、羞恥心ってのはあっていいと思うな。だから顔がいちばん恥ずかしいっていうのよ。昔から、恥ずかしいとき「ああ、恥ずかしい」って顔を隠すでしょう。あれが、いちばん正しいんだね。


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わたしは昔から。。。「借り物の価値観」に自分で疑問すら抱かずにいたり、ましてや、それを他人に押し付けようとする輩が、相当に嫌いだった。
なので、そういった空気を察するたびに、「その根拠」を求め、それを検証するクセがついている。
おかげでわたしはおそらく、ものごとを見る目のない男からは相当に、「理屈っぽい女」と映っているんだろうなぁ。。。。。と思っていた。

わたしが追求するのは、「ただひとつの理屈」などでもなければ、「完璧さ」なんかじゃない。
その人がその人で在ることを支えている(Something)なのである・・・★

そして、本書でアラーキー氏曰く・・・荒木氏にとっての≪それ≫=≪なにか≫は、「インテリジェンヌ」であると書かれている。

だいたい、人生、深く考えたって暗くなるだけでしょ。
深刻になったり、真剣に考えたりしないことが快適に生きる秘訣だよね。
女は、いろんな意味でイキイキとしていなけりゃ魅力的じゃないんだから、まず、明るいってことが第一条件だよ。


。。。荒木氏だから許せるようなものの、実生活でいきなりこんなことを言われたものなら・・・おそらく数年前の酒の席であれば間違いなく、わたしのグラスの酒の洗礼を受けていたところであろう.....。。。(汗

道路だって、ゴミひとつないっているのじゃ生活感がないでしょ。
少しぐらい汚れているほうが人間的なんだよ。どこかの大学の先生もいってるけど清潔すぎるのは病なんだ。それと同じで、ワイセツなところが三つくらいなくちゃいけない。
お人形さんみたいにきれいで、欠点がなくて、いい育ちっていうんじゃ面白くないわけ。
なにしろ、人間の魅力ってのは欠点があることなんだから。
やっぱり写真を撮るなら、汚いところがあって、欠点だらけでも生きている、ほんとの女を撮らなくちゃね。


・・・・・それを真に理解している人は、どのぐらいいるのだろうか。
(*・-・)o
by o-bleneri | 2006-09-21 09:25


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