先日5日の朝警察より連絡があり、
とある事故で姉が他界したことと、 母も病院に運ばれるも危篤状態にあることを知らされ、 まず母の搬送先の病院へ行き、 その後、姉の身元確認の為に隣町の警察署まで来るように、 との依頼を受けた。 ・・・・・私はすぐには状況を飲み込めず、 まるで他人事であるかのような心地のまま、病院のICUへ向かった。 既に母の意識は無く、人工呼吸器を装着されていた。 - 朦朧とした気持ちで何とか電車に乗り、説明された場所へ向かう。 対面すると、確かに姉だった。 思ったよりか安らかな表情だったことだけが、せめてもの救いだった。 - その先・・・・・ わたしはいったい、何をどうすれば良いのだろう? 思わず、向かいにいらした刑事さんに 「こういう時、どうすれば良いんですか?」と聞くと必要事項を教えてくれたので、 すぐに経験のある、年配の知人へ電話する。 そして、その知人を通して、 場数を踏んでらっしゃる葬儀社の担当者さんが来てくれることになった。 その間、唯一連絡先を知っている、亡き父方の叔母へ連絡する。 まもなく、最初に連絡した知人から電話が入り、 その方も来てくれることになったので、 到着までの1時間弱、警察署のベンチで待つ。 - どん と、重たいものが、一人っきりの自分に受け渡されたような気分で、 悲しいというよりかは、ひたすら途方に暮れた。 「ひとり」ということは、こういうことなんだな、と、思った。 しかし、 命を落とした姉や、瀕死の母が、 受けたであろう、私の知らない現実を想像し、 そこに感情移入しようものなら、 自分を保てなくなることはわかっているので、 心の中で【今は見ないように】、努力した。 何を考えようにも、何をどうすれば良いのかまるで見当もつかず、 ふわふわと気持ちが宙を舞う。 本当に、こういうことが、「自分ひとり」、ということなんだな、と思った。 - 担当者さんが到着する。 顔だけは以前より見知った方だったので、 少しだけ心強くなる。 いろいろと、これから自分が取るべき手順についての説明を受け、 それこそ・・・・・悲しむ余裕も無いままに、 親戚への連絡や、必要書類の手配を始めとした雑務に取り掛かる。 まもなく知人が到着し、今後の段取りを打ち合わせる。 その間も、事故を聞きつけた姉や母の知人の方からの連絡に対応する。 姉の遺影の為の写真を探すために、母と姉が住んでいた実家へ向かう。 姉と母のアルバムを見た途端、 どうにもそれまで抑えていたものが込み上げてくるも・・・・・ 【今は見ないように】し、事務的に、笑顔の写真を選び出し、 写真屋さんに加工を依頼する。 - そして夕方、知人に付き添ってもらい、再び母の入院先に戻り様子を聞く。 今晩のうちに覚悟されてください、と伝えられる。 自分の家からその病院はそう遠くなかったため、 もしもの時は携帯に電話を受けることにし、 わたしは一旦自分の部屋へ戻った。 その後も当然意識は携帯に集中したまま、 殆ど眠れぬ夜を過ごし、朝になる。 やがて連絡のついた親戚がこちらに向かってくれ、母と面会する。 その対応の傍ら姉の通夜の会場を探し、移動する。 その日の夕方、お通夜を行う。 遠方からもずいぶん、姉の友人の方が駆けつけてくださった。 突然のことだったため、故人にとって寂しいお通夜になることも、覚悟していた。 この場を借りて、参列下さった皆様に、心より深くお礼申し上げます。 翌朝、母の入院先より容態悪化の連絡を受け、 従兄弟に付き添ってもらい、急行する。 数時間心拍と呼吸が0と微かな上昇を繰り返した後、 母は静かに息を引き取った。 - 文字通り・・・「悲しむ余裕も無い」まま、 母の処置を病院と担当の方へ依頼し、再び姉の告別式に戻る。 姉の出棺。 ・・・この瞬間が、一番辛かった。 - お骨になった姉と共に斎場へ戻り、 その日の夕方から、母の通夜。 翌日、母の出棺。 - そして今、実家から持ち帰った父の遺骨と、母と姉、三人の遺骨とともに・・・ 数十年ぶりの、一家4人の夜。 ・・・・・今の自分の「この気持ち」は、形にもならなければ、言葉にもならない。 悲しい、とか、寂しい、という言葉だけでは、到底言い表せない、 そういったものを味わいながら、暫く、忙しい日々になろうかと思うけれど、 なんとか、気をしっかり保っていたいものと思う。 - その間、事情をざっと説明しておいたStuartからメッセージが入る。 彼はおくやみの言葉と共に、「今日は何か食べたほうがいい。」と言ってくれた。 ・・・・・実は、数日前の知らせを受けた瞬間、 彼とは会えないまま、いよいよこれ限りになることを覚悟し、 出発前に、彼への簡単なお別れのメッセージを送っておいた。 ・・・にも関わらず、彼は励ましの言葉と・・・「I love you」と言ってくれた。 - 悲しいこと、辛いこと・・・ それ「一色だけ」の世界なんて、嘘っぽいと思うから。 薔薇色な気分の中にも、worry、悲しみ、 悲しみの中にも、陽だまりのような優しさや、希望、 いろんなものが混じって、偏りながら、生きてゆくのだな、と思えた。 そして、どんなに「孤独」を味わったとしても、 それは自分から「人」が見えていないだけであって、 人が「ひとり」なのかどうかって、形や、そこに居る人数だけじゃなく、 どこまで周りに自分を開いていくかによって、変わってゆくものとおもった。 形だけを見て、人を孤独だと決め付けることは、 ただの自分の中の思い込みなのかもしれない。 そして今回、 気付かぬうちに自分や誰もがどれほどいろいろな人に支えてもらっているかということ、 命の大切さ、そして、儚さ・・・・・・・・・・いろんなことを想った。 - 駆けつけてくださった皆様、本当に有難うございました。
by o-bleneri
| 2007-04-09 00:46
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